madarasuka
『onとoff 心をとめたらみえてくる世界・・・』
西向院
津市美杉町下多気にある530年以上前に創建された西向院には、ずっとしてみたかった座禅の体験があります。最近は小学校の修学旅行や社会科見学で体験したりする事もあるそうだけど大人になるとちょっと座禅をって観光地以外でなかなか機会がないですよね。
住職は、石山覚勝師。
天台宗では座禅を 「止観」 と呼ぶ。止観??? 初めて聞く言葉だ。
今回は初心者体験なので15分。
長いと感じるか短いと感じるかは人それぞれ同じ人でもその日の感情や体調によっても変わるそうだ。
心を無にして何も考えない。ってそれはものすごい難しいこと…
心に違う考えが出てきたら数息感(呼吸を数える事に意識を集中させる)を使う。これは初心者向けらしく私にはピタッときた。
「ひと~つ ふた~つ ・・・ とう」呼吸を追う以外の事を考える隙がなかった。
これもこの時の私の気分だったのかもしれないけど頭の中がスキっとした。
まるで岩盤浴に行ってきた帰り道の様に。
心がざわざわして落ち着かない時は考える事を止めてみる。
それでいいのだと…一度立ち止まる事で、何かがみえてより前に進むこともある。
禅体験から2週間。
順番にきてくれたらいいのに仕事や家族、友達のこと今晩の献立からスーパーセールの買出しなどなど考える事が1度にやってくる。
「あぁ今いっぱいいっぱいだ…」って思ったらリンの音を思い出す。
音を思い出すと空気感もついてくる。
不思議と優先順位がみえてくる。
onの為にoffにする。
offの為にonがある。ってことなのかなぁ…
気分によっては好きな音楽を聴きながら、いつでもどこでも自分の為だけにできるのもいいですよね。
覚勝師は石山覚教さんというお名前で音楽活動もされている。
奥さんの真祐子さんがこっそり(まだサンプルだったので)CDを聞かせてくれた。
「超!法華経」と出来上がったばかりの「FUMONPON-FREE GATE-」
当然だけど法事や法要では絶対に耳にすることのないラップ調?ゲームの始まり?かと思えば優しい気持ちになる曲もあり聴いていてワクワクした。
たとえばドライブ中に聞いたら心穏やかに運転ができる? かも。
↑ここには覚教さんの法華経と音楽への志しが書かれています。
町内にある山奥のオープンカフェmamaというお店で天台真盛宗の仲間で矢橋源智さんと真祐子さんとで結成されているバンド「エヌワンダトリオ」のライブもされたそうです。
こちらはお経ではないですよっておっしゃってみえました。
見せていただく音源や動画は無かったので、ぜひ次回の開催を楽しみにしています!
コロナ禍で失った自由もいっぱいあるけど新しく手に入れた自由もある。ワーケーション(観光地や帰省先などの休暇先でリモートワークを行うこと)を利用して禅体験をする人もいるそうです。
働きながら生活もより楽しむ為にはonとoffの切り替えが大事。
移住者向けに美杉町ならではの仕事もあるそうだ。例えば、きこりとか…
飲食店や民泊、豊かな自然を活かしたお店もみかけます。
覚勝師も10年以上前に、ご家族でこの地にみえました。
こちらへの移住って人口の多い所へ行くのと違って寺院だし色々と難しそうだなぁ~なんて思ったけど真祐子さんは「今の季節は寒いし(笑)もちろん大変なこともあるけどいつもまわりの方々に助けられているんです」。とおっしゃっていました。
真祐子さん
本堂向かって左側のお地蔵様
お地蔵様とは地獄の底で苦しんでいる人でも本気で助けを求める人がいたらいつでも、何度でも助けに行けるように頭を坊主にして衣も質素にして地獄の炎で燃えてもいいように… というぐらい慈悲深いんですよ。
ありがたいお話をしてくれているのに「似てらっしゃいますね」って思わず心の声が…後からよく考えたらなんと失礼な発言をしてしまったのかと汗が出る。
しかし覚勝師はニコニコされて「嬉しいですね」。
こういう雰囲気がまた来ようと思わせる。
この浜縁の欅(けやき)艶がきれいですよね。この日は風も陽光も座っているだけで心地よい空間でした。
本堂の目の前の山にはお釈迦様の寝姿が広がります。分かりますか?
覚勝師の目力と親しみやすい雰囲気とこの大自然の中の寺院の持つ凛とした空気が相まって呼吸だけでなく心も体も整いました。
ありがとうございました。
止観ってどんなの?と思ったらぜひお試しください!!
旭照山 西向院
〒515-3311 津市美杉町下多気2780
電話 059-275-0054